【間取りを考える:居室編 – 快適なプライベート空間づくり】
シリーズ最終章は、家族それぞれがリラックスし、集中できる空間「居室編」です。
寝室や子ども部屋、書斎など、それぞれの個性や用途に合わせた間取りのポイントを紹介します。
プライベート空間は単なる「部屋」ではなく、心地よく過ごせる「自分だけの空間」としての工夫が求められます。
◆ 寝室:リラックスと安眠を追求する空間
*画像をクリックすると施工例がごらんいただけますm(__)m
寝室は1日の疲れを癒し、良質な睡眠を得るための空間です。
シンプルな空間ですが、毎日使う場所ですからご自身の生活スタイルを踏まえて計画することが大切です。
一つ一つポイントを整理していきます。
1.レイアウトのポイント
ベッドの配置とコンセントは密接な関係があります。
特にスマホを充電しながら寝る方も多い現代では枕もとのコンセント計画などもしっかり考えておきたいポイントです。また、どのようなサイズの寝具を置くかも重要になってきます。
間取りを考える時の基本ですが、設置する家具をどうするのかもしっかり考えておいた方が間違いありません。また、枕もとの窓は冷気を感じる場合があります。
ただ、採光や換気の計算上、どうしても枕もとに窓がきてしまう場合も少なくありません。その際はカーテン等での対策をしていきましょう。
2.照明と色の選び方
居住空間は温かみのある柔らかい光の電球色や温白色、メイクをしたり、収納や書斎(勉強スペース)では自然光に近い昼白色や昼光色がおすすめです。
また、壁や天井の色も大きく影響しますので注意が必要です。
暗めのトーンの素材の面積が広いと、光を吸収し、暗く感じます。
暗い色と落ち着く色は似て非なるものです。
特に子供部屋は窓のサイズや壁紙の色なども併せて照明計画をしていきましょう。
白系をベースとした空間であれば照明のそれぞれの特徴をストレートに表わしてくれます。
3.収納と機能性
クローゼットや収納家具は使いやすく整理整頓しやすいものであることはもちろんですが、例えば服の直し方などまで考えておくとより使いやすい収納になります。
例えば、ハンガーに掛けて収納したい方もいれば、畳んで置いておきたい方もいますし、男性、女性でもバッグや帽子などの小物類に関する収納の考え方も異なります。
一言にウォークインクローゼットと言っても、その中のレイアウトまで考えておくとすっきりとしたウォークインクローゼットになると思います。
また、収納は用途に合わせて、場所、棚の種類や奥行を考えておくことが重要です。3畳の収納部屋が一部屋あるよりも、水回りに0.5畳、キッチンに1.5畳、リビングに0.5畳、ダイニングに0.5畳という配置の方が日々の動線がスムーズになります。
何をどこに直すかを考えてレイアウトしていきましょう。
◆ 子ども部屋:成長に合わせた柔軟なデザイン
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子ども部屋は成長とともに変化するニーズに対応できる間取りを考えておくことも大切です。
想定できる方法や予算を整理してみます。
1.可変性のある間取り
勉強スペース、遊び場、寝室として時期によって使い分けられるレイアウトが一つです。
可動式のパーティションや、収納家具を使って部屋を自由に変更できるようにしておくと、子どもの成長に合わせて対応できます。よく、将来間仕切り壁を施工した場合にどのくらいの費用がかかるのか?というご質問をいただきますが、9畳を4.5畳の二部屋に分けた場合で想定すると、15~20万くらいです。可動式の収納家具なんかもありますが、結構なお値段がしますね。
仕切り方としてコストの順番で並べると、
(安)カーテン・ロールスクリーン等
(中)壁造作(建築工事)
(高)移動式収納家具
という感じです。
子供達の将来はなかなか予想することが難しいものではありますが、子供たちが巣立った後もその先に里帰りや一時帰省などでの使用もありますので、
2.色と装飾で楽しい空間に
明るく楽しい色合いや、子どもが好きなモチーフの壁紙やカーテンで、ワクワクするような雰囲気に。成長に合わせて簡単に模様替えができるよう、貼って剥がせるウォールステッカーなども便利です。
3.収納と動線
遊び道具や学用品が簡単に片付けられるよう、低い位置に収納を設置。動線を考慮した配置で、部屋全体が使いやすくなります。
◆ 書斎・ワークスペース:集中できる環境作り
リモートワークの増加に伴い、快適で集中できる書斎やワークスペースの需要が高まっています。
そんなワークスペースをどのような位置に設置するべきかはしっかり考えておく必要があります。
リビング?寝室の中?2階のホール?などなど、せっかく作ったのにただの物置になってしまうのはもったいないですよね。
1.静かな場所に配置
家の中で静かに集中できるエリアを選ぶと、作業効率が上がります。
窓がある場所を選ぶと、自然光が入り、気分転換もしやすいです。
2.効率的なデスク配置
壁際にデスクを配置することで、広々とした空間を確保できます。
棚や引き出しを活用して、必要な書類やツールがすぐ手に取れるよう工夫します。
3.照明とインテリア
昼白色のタスクライトで手元を明るくし、全体の照明は暖色系で落ち着いた雰囲気を作ると良いでしょう。
インテリアはシンプルなデザインが集中を妨げません。
◆ 居室全体の動線と間取り
居室は家族それぞれのプライバシーが保たれるよう工夫します。
特に親子の部屋は、適度な距離感とアクセスしやすい配置が望ましいです。
とはいえ、家族の将来を完全に予想するのはとても難しいことですし、未就学児、小学校、中学校、高校、大学、と全ての状況に合わせて間取りを作ることは難しいのが現実です。
あれやこれや考えすぎて、予算等の面も考慮すれば、やり過ぎてもいけません。
基本的には子供たちと一緒に行動することが多い未就学から小学校くらいまでを想定して、間取りや動線を決めていくのがベストなのではないかと思います。
私自身、家を建てたときに、色々検討した結果、LDKを2階につくる事になりました。
その際に、お風呂や洗面などの水回りを1階にするのか2階にするのかすごく悩みました。
子供たちが小さい時期を考えればLDKに近い2階、でも自分たちの老後を考えれば1階の方がいいのか。
結論から言うと、子供たちの暮らし方や行動を考えて2階に水回りを設置しました。
老後に、この選択が正解だったのかどうか思う事があるかもしれませんが、少なくとも現段階では正解だったと思います。
間取りや動線の正解は、家族のライフスタイルによって異なります。
間取りを考える時は、ネットの情報は参考程度に、まず自分達家族のそれぞれの暮らし方や行動を整理してから考えるのがおすすめです(^^)