これまで、家作りのお話は何度かしてきましたが、今回はお店を作った時のお話をしたいと思います。

都内から車で1時間ほどの茨城県つくば市。

このあたりの風景が気に入って、東京にはない郊外ならではのロケーションとスケール感を生かし、

ライフスタイルショップを作れたら素敵だなぁと思い立ったあの日。

海外で見た景色にも似た環境や風景を効果的に取り込み、気持ちの良いお店が作りたい!

そんな想いでヴィンテージ家具&カフェ「Blackboardつくば」は、13年前に誕生しました。

もともと飲食店だったこの建物のこちら側の壁には、窓は全くありませんでした。

が、ヴィンテージの窓を取り付けてもらうことで、カフェに訪れた方々が

開放的で室内から広い空と田園を望むことのできるとても眺めの良い窓辺になったと思っています。

周りの環境をとても大切にするという意味では、家作りと同じように

お店作りにおいても、基本的に考え方は変わらないのです。

ここで使用したのは、デンマークのヴィンテージの窓。

海外では、家を解体する際に 窓、ドア、洗面台や床材にいたるまで

再利用のために丁寧に保存され、再販されているものがあります。

それだけ今では手に入りにくい貴重な材料が使われていたり、価値の高いものなのですね。

サスティナブルな観点からもとても理にかなっており、地球にも優しい循環型のシステムのひとつですよね。

入口やオフィス、カフェのキッチンやトイレのドアなども、そんなヴィンテージ建具を多く使用し、

Blackboardつくばは構成されています。

店内は、国や年代も違うヴィンテージ家具や照明で構成されており、

それを一つ一つ説明することが難しい!でも知っていただきたい!

ということで、お持ち帰りしてもらえるこんな店内マップまで使ってしまいました。

Blackboardという店名の由来はというと・・・

その言葉の持つアナログ感やクラシック感のイメージがしっくりくるなと名づけられたのです。

自然光溢れるカフェでは、実際に家具に触れながら、心地よい時間を過ごしていただけます。

空間作りや食材選び、オリジナルメニュー、食器・カトラリーに至るまで

ひとつひとつの「こと・もの」を丁寧に考え選ぶことも大切にしています。

店内で使用している家具やアートの多くはヴィンテージ。

永い時を経てきた「もの」の持つ深く温かな空気を五感で感じていただけたらと思います。

この空間で今まで見たことなかったものとの出会いから自身の世界が広がったり、

なにか新しい想いが 芽生える場所であったらいいなと。

Blackboardは消しては書いてと、何度でも書き直せるもの。

希望や夢をこのBlackboardで想い描く。

そんな想いもあってのネーミングなのです。

昨今はさまざまなテクノロジーのおかげで、バーチャルでいろいろなことを体験できる時代ではありますが、

一方で、リアルな人やものが持つ生々しさを感じることは大切だと考えています。

こんな時代だからこそ、本物の空気感や肌感が人の「心」を守っていけるのではないかとも思ってもいるのです。

気心知れた仲間やご家族と、大切な人と、気ままに一人で。

ここはこんなふうになってたんだ、とか これなんだろう?と いつ訪れても新しい発見がある。

Blackboardのスローガンは「Draw Your Days」 あなたの日々のくらしを思い描ける場所。

これからもそんな居場所であり続けることができますように。

 

 

 

karf ディレクター
島田幾子 Ikuko Shimada
インテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし
親として学んできたことや、子育ての環境への考えを
パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を出版。
作画は画家であり絵本作家の松田奈那子さん。