前々回のブログでは、ヴィンテージの素材を使って新しいものを生み出すというお話をしました。

その時は、主に布、革の生地でしたが、今回は固いもの。金属です。

以前のブログでも何度か話題にしているこのランプ

実はコムハウスの「よみもの/クラシ」のトップの写真にも登場しています。

見てみてくださいね!

我が家ではベッドルームに置いてあるのです。

アメリカのアーティストが作ったもので、彼は画家でもあります。

廃材を素材に作られているので、全て違った仕上がりで

同じものはひとつもないのです。

台座あたりには自転車のギアなど、土台部分はなんとお鍋の蓋!

シェードには、ブラインドを使っていますので外すと畳むことができるのです。

カッコ良さと、どこかローテク感のある雰囲気がとても気に入っています。

このランプは10年以上も前に手に入れたものですが

トレンドとは無関係のせいか、いつみても色褪せない独特な魅力があります。

また、もう20年近く前になるのですが、ヴィンテージ素材で装飾を施した

「ライテリア」という照明を取り扱いしていたことがあります。

鍵、ハサミ、ペンチ、コンパス、真空管などたくさんくっついています。

ひとつひとつの形の美しさ!

道具というものは、性能の良さは言うまでもなく

持ちやすさとか、切りやすさとか

実用を追求していくことで辿り着く、機能美がありますよね。

惚れ惚れするような美しいフォルムです。

道具というとハードなイメージですが、シャンデリアに付けるとこんなにいい感じ。

これらはロサンゼルス在住のアーティストでLunna Menoh作。

こちらもアート作品というよりはプロダクトで、実際に使用できます。

電気部分は新しいもので、装飾に古いパーツ類を使っています。

ヴィンテージファブリックと考え方は同じ。

一度役目を終えたモノを再び蘇らせることが基本にあります。

パーツは、チェーンやギア、メーターなど自転車の部品も多いです。

自転車の部品は、軽いのが特徴。

その軽さは、天井から吊るす耐荷重制限がある照明器具には都合がいいのです。

どう組み合わせるのかヒントを聞いてみたところ

それがなにに使われていたかというよりも、まずは形のおもしろさを優先するとのこと。

立体物をコラージュしていくかんじだそうです。

シャンデリアはもともと左右対称で、キラキラしてて、、、

お金持ちや富裕層のイメージです。

女性的なイメージのシャンデリアに工業製品(男性的)を合わせていく。

さらにパール(女性的)などとも組み合わせて。

お互いを引き立てることで魅力が増していますよね。

そもそもシャンデリアというものは、造形的にはシンメトリーの美しさが良しとされているのでしょうが

異質なパーツを組み合わせることで、左右対称にならなくなります。

おさまらない。

正位置が崩れていく。

それが、なかったものを生み出す。

いろいろな個性を持ったものが集まって、また新たな何かが生まれる。

人間関係にも例えると面白いかなと思います。

その人自身は変わらないのに、人との出会いで今までなかった魅力が引き出されたり

環境を変えたことで、意外な道が開けたり。

人生は創意工夫。

見方、捉え方、考え方によってどうにでもなります。

何ものにもとらわれず、執着せず。

常識とされていたことを疑ってみる。

今あるものを壊してみたら、きっと新しいものが見えてくることでしょう。

ついつい狭い視野で世の中を見てしまいがちな私たちですが

もっと創造的な気持ちで「小さな思い込み」や

「大きな既成概念」を打ち壊していけるのかも!

こじんまりと、まとまることはないのかも!

アーティストの作った照明たちから、そんな勇気ももらっています。

 

 

 

karf ディレクター
島田幾子 Ikuko Shimada
東京・代官山のインテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし
親として学んできたことや、子育ての環境への考えを
パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を出版。
作画は画家であり絵本作家の松田奈那子さん。