家の中をあらためて見渡してみると
いつ見ても何年たっても、やっぱりいいなぁと思える
「お気に入り」のものがあることに気づきます。
それは、自分の中ではいつも変わらない感覚で
きっとこれからもずっと好きなのだと思います。
皆さんは、そんな「お気に入り」はありますか。
私はコレクターのようになにか収集しているものもなく
どうやらオタク気質も薄いようで、ものに対して深掘りすることや
うんちくを語ることも苦手です(汗)
が、そんな私が「好き」なもの。
ほとんどが実用的なもので それはまず、バスルームにあります。
タオルをかけているウォールハンガーです。
イギリス1930年代頃の、おそらく工場や作業場などで使われていた
インダストリアルなものと思われます。
「好き」は、国や年代を問わず自己感覚。
見た瞬間、あ!これ好きなやつ!
と、極めて感覚的なため、恥ずかしながら言語化することが困難であります。
今回、写真を撮っていてあらためて思ったのですが
アルミで作られているフックの形
おとぎ話に出てくるキャラクターみたいな顔に見えませんか?
かわいいなぁ〜 と、また好きが増してしました。
そもそもアルミという素材が好きみたいです。
金属だけど柔らかい感じがして。
ピカピカしたものではなく、輝き?の鈍さがいいなと思っています。
ベースに使われているマホガニー材との相性も良いですよね!
金属と木素材の組合せも好きなのですね。
そして、こちらのスツール。
1930年〜50年のアメリカのもので
医療機器だと推測されます。
脚はアルミ。
座面は鉄。黒塗装。
座面部分のくたり具合もいいです。
冬になると、ご想像通りめちゃくちゃ冷たい!
座れません(笑)
うっかり座ろうものなら、ひやぁ〜と声が出ますよ。
高いところの物を取り出したい時、脚立がわりにしたいじゃないですか。
でも裸足で立つのも勇気がいります。
冷たすぎて! 寒い季節は氷みたいです。
なので、私はこのスツールに
座り心地の良さを求めたことはないです(笑)
用途としては、着替えやタオルを置いたり、、ね。
実はこのスツール
過去ブログ記事の『キッチンから生まれるもの』にも登場し
『天窓のあるバスルーム』の回にも登場しています。
お気に入りのためか、無意識的に登場回数多めになっておりました。
脚のデザインもいいですねー。
ウォールハンガーもスツールも
普段使いとしてもう20年以上使っています。
普段はそんなに気に留めていないのです。
時々ふと しみじみと、いいなぁと強く感じてしまいます。
集めて飾って囲まれて眺めていたい
とは違うこの感覚。
使えるものがいいです。
子どもの頃、茶道を習っていたのですが
その影響も大きいのかなと
大人になってから思うようになりました。
茶道は陶器、漆器、織物など
本物を惜しげもなく使ってお茶をたてます。
幼いながら、この手に触れた
感覚的な出会いが
「お気に入り」のものを「使う」
につながっているのかもしれませんね。
karf ディレクター
島田幾子 Ikuko Shimada
東京・代官山のインテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし
親として学んできたことや、子育ての環境への考えを
パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を出版。
作画は画家であり絵本作家の松田奈那子さん。