古いものが好きということもあって、私の周りには
ヴィンテージの家具や雑貨がいろいろとあります。

ヴィンテージといわれるものは、経年変化による味わいがありますよね。
製作された当時、技術がなかったからこんな形状になってる、とか
その時代はまだまだ手作業に頼っていたからこんな仕上がりだよね、とか。

近年に作られたものとは違う工程で作られてるせいか素材感が独特で
今では再現することが逆に難しい趣きに魅力を感じています。

 

そんなヴィンテージたち、今回は時計についてお話したいと思います。
さて、皆さんは時間を知りたい時どうしていますか?
携帯で時間を確認することも多くなっていますよね。
お仕事中なら、PCに表示されてたり
アップルウォッチ使ってます、という方もいますかね。
普段から腕時計もアップルウォッチも使っていない私は
たまに携帯を家に置き忘れたりなんかすると外出中に

今何時なんだろ?
え、時計がなくて時間がわからなーい
となり、困ることがありますます(汗)

 

では、お家の中ではいかがでしょうか。
我が家では、ダイニングルームでヴィンテージの時計を使っています。

もう20年以上の付き合いになります。
イギリスSmith社の1930〜50年代の時計で、ベークライトでできており
買った当時はゼンマイ仕掛けでした。
下の棒を引っ張りながら巻いてあげる形式なのです。
気がつくと、あ、止まってる!

と、急いでジコジコとゼンマイを巻いて時間を合わせる
という作業を繰り返していました。
なんともアナログな(笑)
そして、古いものなので全く動かなくなってしまったことがありましたが
愛着もあったので、ゼンマイから電池式にメカだけを交換してもらいました。
以後、調子よく元気に時を刻んでくれております!

 

そして、こんな駅にあるような大きな時計もいいですね。

壁の世界地図にもご注目ください。
代官山にお引越する前、目黒のミーティングルームでは
こんなデジタル表示の世界時計を使っていました。
そんなに古いモノではありませんが
デジタルなのになぜかアナログ感が強い!
その雰囲気のギャップが面白いのと、素材感もよかったです。

 

現在、代官山のオフィスでは、このような両面から見られる時計を。

ヨーロッパで1950〜70年代に工場や学校、鉄道、病院などの
公共施設で使われていた時計のようです。
装飾的なデザインよりも機能美によるデザインに惹かれます!
インテリアからの観点でも
時計は空間に与える影響はかなり高いと思っています。
文字盤のデザインが豊富にあるからかもしれませんが
アートを飾るような感覚に近い感じです。

ニューヨークのロックフェラービルの入口の時計、カッコよかったです!
アールデコの意匠ですね。
時計はインテリアのみならず、建築との相性もよさそうです。
ロンドンのビッグ・ベンなどもそうですし。
文字盤はアラビア数字、ローマ数字
ラインのような印だけのものなど、さまざまなデザインがあります。
いまや、数字のところになにもない時計もたまに見かけますが
それでも私たちは文字盤にある針の位置で時間を認識できますよね。
良く考えたら、それってすごいなと感心してしまいます。

 

こちらはニューヨークの皆さんご存じ、映画にもよく登場する
グランド・セントラル・ターミナル内の通路にある時計。

針のデザインだけ注目しても楽しいですね。
動く針の位置でも表情が変わり
文字盤のなかでのみ完成する世界観。
2本の針だけで時間を示すという
シンプルな見た目と複雑なシステムと。
時間という概念を作り出した古代先人たち
それをさらに技術的にも高めてきた人たち
そんなところまで想いをはせてしまいました。

時計というものは、とにかく深く美しい!


karf ディレクター

島田幾子 Ikuko Shimada
東京・目黒から代官山に移転したばかりのインテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし、親として学んできたことや
子育ての環境への考えを、パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を絵本作家の松田奈那子さんとの共著で出版。