お家の中を巡るルームツアーブログ、今回はキッチンのお話です。
キッチンを作るにあたり計画したのは
まず食器やキッチンツール、食品のストック全てがキッチン内に収まるように!
でした。
しかも短い動線で作業ができ、全て少し手を伸ばせば届く範囲に収まっているように!
というイメージでした。
そして、何より配膳スペースが欲しかったので、後ろにもスペースを確保。
作業性と効率を考え規格より広い天板にしてもらったのですが
コンパクトなキッチンに仕上がっています。
オープン型キッチンも提案していただいていたのですが
料理の匂いが部屋中に充満するのを避けたかったので
あえて壁を立ててもらったという経緯があります。
こうして、なにかと機能面ばかりの希望になっていた私たちでしたが
建築家の方からのお話は、実はこうでした。
「お母さんはキッチンで過ごす時間が長いので、とにかく快適さが大切です!」
確かに、それはそうですね。
「そのためにはキッチンからの見える風景が大切です!」
ほおほお
「キッチンに立った時、閉塞感がなく視界ができるだけ遠くへ広がるのがいいです!」
そのお言葉通り、キッチンに立つとこんな感じ。
遮る壁がないのでリビングの壁まで視界が広がってます。
家の一番端から端までをみている位置にいることになり
家の狭さを感じさせないです。
そしてもうひとつ。
家族の動線とキッチンの位置ですね。
「キッチンは家族の様子がうかがえるような所にあるのがいいです!」
ということで
学校から帰ってきた子どもたちが
顔も見せずに自分の部屋に入って行くことのないようにと
生活の中で家族が必ず出会う動線になっています。
どこへ行くにも自然とみんなが顔を合わせることになる
ポジション取りとなっているのです。
子どもたちがまだ学校に通ってた頃
お友だちを連れてきて子ども部屋でゲームを楽しんだり
部活帰りにご飯を食べにきたり。
いまどんなお友だちと仲がいいのか知ることにもなりましたし
お友だちの話題でも盛り上がって楽しい思い出にもなっています。
サッカー部の朝練で早くから登校する長男のため
毎朝は4時半におきて、朝食とお昼2食分のお弁当を作ったり
所属チームでプレイするようになってからは
食のトレーナーに毎回食事の写真を送らなければいけない時期があり
栄養バランスを考えるのはもちろんなのですが
料理の見栄えを器や盛り付けでごまかすのに
必要以上にエネルギーをかけていたのもいい思い出です(笑)
キッチンの思い出は、子育ての軌跡でもありました。
家は、私たちの暮らしをつぐむ大切な場所。
あらためて
どんな家に住まうかということは
どう暮らしたいかということに向き合うこと。
たくさん考え抜いた分、思い出もたくさん生まれるはずですよね!
karf ディレクター
島田幾子 Ikuko Shimada
東京・目黒から代官山に移転したばかりのインテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし、親として学んできたことや
子育ての環境への考えを、パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を絵本作家の松田奈那子さんとの共著で出版。