この世に「生」をうける神秘を考えれば考えるほど
不思議な想いでいっぱいになる、島田幾子です。

子どもがこの世に誕生した時、元気で生まれてきてくれさえすれば、それでいい!
そう思う親は多いはず。

でも成長していくにつれて、なぜかあれができたらこれができたら。
こんなこともあんなこともできて欲しい!
どんどん欲が出できます。

親の自分ができていないことを忘れたのか、自覚が足りないのか
子どもに多くを望んでしまうのが「親」というものなのでしょうか。

自分の子どもだし、そんなもんでしょ。
とか思うこともありませんかね?

いや、自分の子どもだからもっとできるはず!もあるかもしれませんね。

私の父が亡くなった後、荷物の整理をしていたら
明らかに父の筆跡で便箋にしたためた何やら散文のようなものが出てきました。
それぞれ、私たち子どもの名前が書いてあり自分の想いをしたためたような文章です。

私には姉と弟がいます。
姉には、とても才能が豊かで将来を期待している
と、書いてありました。
初めての子どもだし、期待値も大ですね!

弟に対しては、男同志として誓った何かがあったのか
それを忘れないよーみたいな内容でした。
長男ですしね。特別な想いがあったのでしょう。

そして私。
なんでもしつこく聞いてきて、いうこと聞かなくて
手をやいちゃってまーす的な内容。汗
私にだけ、トーンの違うメッセージ笑

思えば私も、子育て中は次男が自由過ぎてやんちゃで困り果て
泣きそうになりながら父に電話で愚痴ったら、

一言
あんたそっくりよ!
と言い放たれたことがあります。

そういう父も長い垣根を一本一本折って歩き
そのお家の人に母と平謝りしたことがあると聞いたことを思い出しました。
やんちゃ気質のDNAが脈々と引き継がれているようで、、、笑
親の期待をはずれていくのが、子どもっていうものなのですよね、きっと。

どんな時でも、どんな状況でも
「何をしても楽しめていること」
私が子ども達に唯一望むことです。

そして2人が成人になった今もこの想いは変わりません。

安定した大きな会社で働いていても
楽しそうでなければ心配です。

高いお給料をいただけるような仕事に就いても
苦しそうだと心配します。

どんなに人に褒め称えられたとしても
辛そうだと心配なのです。

そんなに裕福でなくても
笑顔でいられているなら嬉しいです。

学校の成績がイマイチでも
楽しそうならいいです。

友達が少なかろうが
黙々と何かに熱中していたらオッケーです。

どんな状況にあっても「楽しそう」であることが親としての私の願いなのです。
もちろん、楽しむための「努力」や「覚悟」も必要なのでしょうね。
それも含めてのお話です。

子育て中、子どもがまだ幼い頃は、けっこう大変で
精神的にきついときも正直ありました。

なにしろ全てが初めてのことの連続で
不安でしたし人に上手く助けを求めることも下手で
心身ともに疲労困憊。

子どもの「何ものにもかえがたい究極の可愛さ」と
「予想を大きく上回ってくる待ったなしのお世話」
その、飴と鞭とも思える状況が繰り返される毎日!
身を削るのはまさにこのことかな、と。
自分の人生でこんなことは初めてでしたし。

「こんな大変な思いをして子どもを育てして
いいことあるのかなー」
と涙目で友達に愚痴ったこともあります。

しかし、しかしですよ、ありますよ!いいこと!
なんとたくさんの
面白い事、楽しい事、嬉しい事
やってきています!(現在進行形です)

自分ごときが想像する小さい未来の予想を上回る出来事が!

それは人それぞれ違うとは思います。
愛情を注いだあなたにしかわからないことかもしれません。

子育て中のパパママさま
あくまで「無欲」で
とことん子どもに愛をもって付き合ってあげて欲しいです。

きっときっとコロコロっと
キラキラした宝物がその手に落ちてきますよ。

それはずっとずっといつまでも、あなたの手元で輝きを放ってくれるはずです。
目の前にいる自由気ままに何でもし放題なわが子は
今は得体の知れない幼虫に見えるかもしれませんが
すぐに蝶に姿をかえて羽ばたいていきますから。


karf ディレクター

島田幾子 Ikuko Shimada
東京・目黒から代官山に移転したばかりのインテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし、親として学んできたことや
子育ての環境への考えを、パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を絵本作家の松田奈那子さんとの共著で出版。